四国の玄関口として栄えてきた香川県高松市は、瀬戸内海の穏やかな景色と豊かな歴史文化、そして全国にその名を知られる「讃岐うどん」の聖地として、多くの旅行者を魅了し続けています。
高松は、歴史的な名勝や絶景スポットがコンパクトなエリアに集約されているため、短時間でも非常に満足度の高い旅ができるのが魅力です。しかし、「本場のうどん店を何軒かはしごしたいけれど、観光スポットとの位置関係や移動手段が分からず、どうスケジュールを組めば効率よく回れるのだろうか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、日本各地を取材してきた旅行ライターの視点から、高松観光の定番スポットとうどん巡りをストレスなく両立させるためのポイントや、おすすめのモデルコースを分かりやすく解説します。読み終える頃には、自分にぴったりの高松滞在プランが明確になっているはずです。
高松が旅先として選ばれる理由
高松が多くの旅行者に選ばれる最大の理由は、「観光・グルメ・交通の利便性が高次元で融合したコンパクトシティ」である点にあります。
古くは高松藩松平家の城下町として発達し、近代以降は四国と本州を結ぶ交通の要衝として発展してきました。現在でもJR高松駅、高松港、琴平線をはじめとする「ことでん(高松琴平電気鉄道)」の各駅、そして中心部の大規模なアーケード商店街が徒歩や短い乗車時間の圏内にまとまっています。
また、讃岐うどんの名店が街中のあちこちに点在しており、「朝一番に名物うどんを一杯食べ、徒歩や電車で歴史庭園を散策し、昼に2軒目のうどんを味わった後、午後は瀬戸内海を一望する高台や島々へ足を延ばす」といった贅沢な使い方が無理なく実現できます。車を運転しないペーパードライバーや公共交通機関を利用する一人旅、女子旅でも安心して楽しめるのが高松ならではの大きな強みです。
高松の外せない観光スポット4選
高松を訪れたら絶対に外せない代表的な観光スポットを4つ厳選しました。それぞれの見どころや巡る際の所要時間、どんな旅行者に向いているかを詳しくご紹介します。
栗林公園(りつりんこうえん)
「お庭の国宝」とも称される栗林公園は、国の特別名勝に指定されている名園です。紫雲山を背景に6つの池と13の築山を巧みに配した回遊式大名庭園で、一歩歩くごとに景色が変わる「一歩一景(いっぽいっけい)」の美しさを誇ります。
見どころは、園内屈指の景勝地である「飛来峰(ひらいほう)」からの眺めや、和船に乗って水面から庭園を鑑賞する「南湖周遊和船」の体験です。歴代藩主が愛したお茶屋「掬月亭(きくげつてい)」で抹茶をいただきながら、ゆったりと池を眺める時間も格別です。

※雰囲気を伝えるためのイメージ画像(AI生成)です。実際の風景はGoogleマップや公式サイトでご覧ください。
- 見どころ:飛来峰からのパノラマ絶景、掬月亭での抹茶体験、南湖周遊和船
- 目安の所要時間:1時間30分〜2時間程度(じっくり鑑賞する場合は2時間以上)
- こんな人におすすめ:日本の伝統美や自然をじっくり楽しみたい方、撮影を楽しみたいフォトグラファー
屋島(やしま)
高松市の東部に位置する屋島は、瀬戸内海に突き出た標高約293メートルの台地状の半島です。平家物語の舞台となった「源平合戦の古戦場」として歴史的に有名で、山頂の展望台「獅子の霊巌(ししのれいがん)」からは、瀬戸内海の多島美と高松市街が一望できます。
山頂には四国八十八ヶ所霊場第84番札所の「屋島寺」や、2022年にオープンした斬新な建築デザインの交流拠点施設「やしまーる」があり、新旧の魅力が融合した観光地となっています。名物の「かわら投げ」に挑戦して開運を願うのも人気の過ごし方です。
- 見どころ:獅子の霊巌からの瀬戸内海の夕景・夜景、やしまーるの回廊建築、屋島寺
- 目安の所要時間:1時間30分〜2時間程度(移動時間除く)
- こんな人におすすめ:絶景や夕日を眺めたい方、歴史ロマンを感じたい方
高松城跡(玉藻公園)
JR高松駅から徒歩数分の場所にある玉藻公園(たまもこうえん)は、豊臣秀吉の家臣・生駒親正によって築城された高松城の跡地です。愛媛県の今治城、大分県の安岐城(中津城説もあり)と並び、「日本三大水城」の一つとして数えられています。
最大の特徴は、瀬戸内海から直接海水を引き込んでいる広大な堀です。堀の中には海水魚であるタイが泳いでおり、「鯛願城(たいがんじょう)」と呼ばれるタイへの餌やり体験が楽しめます。重厚な重要文化財の「月見櫓(つきみやぐら)」や「水手御門」など、往時の姿を今に伝える建造も見ごたえがあります。
- 見どころ:海水を引いた堀でのタイの餌やり、月見櫓、枯山水の庭園
- 目安の所要時間:45分〜1時間程度
- こんな人におすすめ:お城ファン、駅から近い場所で気軽に歴史に触れたい方
女木島・男木島への航路(高松港発着)
高松港は、瀬戸内海に浮かぶ島々への玄関口でもあります。特に高松港からフェリー「めおん」で約20分の「女木島(めぎじま)」と、そこからさらに約20分の「男木島(おぎじま)」は、日帰りで気軽に島旅を楽しめるおすすめのエリアです。
桃太郎伝説の「鬼ヶ島」として知られる女木島には大洞窟があり、男木島は急斜面に集落が広がる美しい坂道の島で、猫が多く暮らすことでも知られています。どちらの島も「瀬戸内国際芸術祭」の舞台となっており、島内に点在する現代アート作品を巡る散策が人気を集めています。
- 見どころ:フェリーでのクルージング、女木島の大洞窟、男木島の美しい集落とアート作品
- 目安の所要時間:半日〜1日程度
- こんな人におすすめ:のんびりとした島時間を過ごしたい方、現代アートに触れたい方
うどん巡回もバッチリ!高松観光1日満喫モデルコース
うどん店の食べ歩きと主要な観光スポットを効率よく巡るための1日モデルコースをご紹介します。高松市内中心部は「ことでん(高松琴平電気鉄道)」や路線バス、徒歩での移動が非常に便利です。
- 8:00|高松駅周辺のうどん店で「朝うどん」
高松の朝は早いです。早朝から営業しているセルフスタイルのうどん店で、出来立ての温かいうどんや、引き締まった冷やしかけうどんを味わい、1日のパワーをチャージします。 - 9:15|「ことでん」に乗って移動
高松築港駅から「ことでん」に乗車し、栗林公園駅へ向かいます(乗車時間10分程度)。 - 9:30〜11:30|栗林公園をじっくり散策
朝の清々しい空気の中で特別名勝の庭園を歩きます。飛来峰からの絶景を楽しんだ後は、掬月亭でお抹茶をいただき一休みしましょう。 - 11:45|公園周辺の人気店で2軒目のうどん
栗林公園の徒歩圏内には有名うどん店が多数あります。お昼の混雑がピークになる少し前のタイミングを狙って入り、名物の「しょうゆうどん」や「釜あげうどん」を堪能します。 - 13:00|ことでん&路線バスで屋島へ移動
琴電栗林駅から琴電屋島駅へ移動し、そこから山頂行きのシャトルバスに乗車します。 - 14:00〜16:00|屋島山頂で絶景とアートを堪能
やしまーるの建築美を楽しんだり、獅子の霊巌から瀬戸内海の多島美を眺めて「かわら投げ」を体験。歴史ある屋島寺への参拝もおすすめです。 - 17:00|高松駅近くへ戻り「高松城跡(玉藻公園)」散策
高松駅周辺へ戻り、夕暮れ時の玉藻公園を散策。堀に泳ぐタイに餌をあげながら、かつて城主が眺めた海風を感じます。 - 18:30|夕食は名物「骨付鳥」と地元料理を満喫
夜はうどんだけでなく、もう一つの高松名物「骨付鳥」を提供する居酒屋や専門店へ。スパイシーな鶏肉とお酒で1日を締めくくります。
高松で味わいたい名物ご当地グルメ
高松の食文化はうどんだけにとどまりません。滞在中にぜひ味わっていただきたい代表的なご当地グルメをご紹介します。
1. 讃岐うどん
高松を訪れたら絶対に外せないのが本場の讃岐うどんです。強いコシとなめらかなのど越し、煮干し(イリコ)の出汁が効いたつゆが特徴です。自分で麺を湯切りし出汁を注ぐ「セルフ店」や、注文から提供までを行う「フルサービス店」など、店舗ごとに注文システムや雰囲気が異なります。サイドメニューの「ちくわ天」や「半熟卵天」と一緒に味わうのが定番です。

※雰囲気を伝えるためのイメージ画像(AI生成)です。実際の風景はGoogleマップや公式サイトでご覧ください。
2. 骨付鳥(ほねつきどり)
香川県丸亀市発祥で、今や高松市内でも定番となっている名物料理です。塩コショウとニンニクがしっかり効いたスパイスでじっくり焼き上げた鶏の骨付きもも肉で、ジューシーで歯ごたえのある「親どり(おや)」と、柔らかく食べやすい「若どり(ひな)」の2種類から選ぶのが基本です。お皿に溜まった脂にキャベツを浸して食べるのが通の楽しみ方です。
3. しょうゆ豆
香川県の家庭で古くから愛されてきた郷土料理です。煎った空豆を温かいいうちに醤油や砂糖、唐辛子などを合わせたタレに浸け込んで作られます。通常の煮豆とは異なり、噛むと口の中でポロッと崩れる独特の食感と香ばしさがあり、おつまみやご飯のお供、お土産としても大人気です。
高松へのアクセスとベストシーズン
高松への主なアクセス方法と、季節ごとの旅のポイントをまとめました。目的地までの距離や予算に合わせて最適な移動手段を選択してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主要都市からのアクセス |
・東京から:羽田空港から高松空港まで飛行機で約1時間15分。高松空港から高松駅まではリムジンバスで約45分程度。 ・大阪から:山陽新幹線で岡山駅まで行き、JR快速マリンライナーに乗り換えて高松駅まで約2時間程度。または高速バスで約3時間30分程度。 ・福岡から:山陽新幹線とマリンライナーの乗り継ぎで約2時間40分程度。 |
| 春(3月〜5月) | 栗林公園や玉藻公園の桜が美しい見頃を迎えます。気候も穏やかで、屋島でのハイキングや島巡りに最も適した爽やかな季節です。 |
| 夏(6月〜8月) | 瀬戸内海の青い海と空が鮮やかに映えるシーズン。男木島・女木島などの島旅が最高に楽しめます。熱中症対策と日焼け対策を忘れずに。 |
| 秋(9月〜11月) | 栗林公園の紅葉が見事な時期で、夜間のライトアップイベントも人気です。過ごしやすい気候でうどん店巡りの街歩きにも最適な季節です。 |
| 冬(12月〜2月) | 晴天の日が多く、瀬戸内海沿いのため四国の中では比較的雪が少ない地域です。温かい讃岐うどんやしっぽくうどんが格別に美味しく感じられます。 |
※各交通機関の運行ダイヤや運賃、イベントの開催状況は時期によって変動するため、訪問前に必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
高松観光でよくある質問(Q&A)
高松を初めて訪れる旅行者から寄せられることの多い疑問について回答します。
Q1. うどん店のはしごは何軒くらいが目安ですか?注意点はありますか?
初めての方であれば、1日に「2〜3軒」を目安にするのがおすすめです。うどん1杯の量は標準的ですが、天ぷらなどのサイドメニューを頼むと意外とお腹にたまります。はしごをするコツは、麺の量を「小(1玉)」で注文することです。また、人気のうどん店は「玉切れ(麺がなくなり次第終了)」で13時〜14時頃には閉店してしまうケースや、平日の昼のみ営業の店舗も多いため、事前に営業時間と定休日をしっかり調べておくことが重要です。
Q2. 車(レンタカー)がなくても高松観光は十分楽しめますか?
はい、十分に楽しめます。高松市内中心部の観光地(栗林公園、高松城跡)や高松港は、JRや「ことでん」、徒歩でスムーズに移動できます。屋島へも電車の駅から路線バスが運行しています。市郊外の山間部にある隠れたうどん名店を多数回りたい場合は車があると便利ですが、市内中心部や沿線上の名店を巡るだけであれば公共交通機関だけで全く問題ありません。
Q3. 朝早くから動きたいのですが、早朝から楽しめるスポットはありますか?
高松は朝型の旅行に非常に向いている街です。栗林公園は早朝から開園しており(開園時間は月によって変わりますが、夏場は5時台、冬場でも7時頃から開園)、早朝の静かな庭園散策が楽しめます。また、朝6時〜7時頃から営業している「朝うどん」の名店も多いため、早朝に散策と朝食を済ませることで、1日を非常に有意義に使うことができます。
まとめ:高松で歴史とアート、絶品うどんを堪能する旅へ
高松は、日本屈指の名園「栗林公園」に代表される歴史的景観、瀬戸内海の美しい島々や絶景、そして全国に誇る「讃岐うどん」の美食体験がギュッと詰まった、魅力あふれる都市です。
観光地同士が近く交通のアクセスも良いため、うどん店巡りと観光スポットの散策を組み合わせたスケジュールが非常に立てやすいのが最大のメリットです。次の週末は、出汁の心地よい香りに包まれながら瀬戸内の風を感じる高松へ、心とお腹を満たす旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
お出かけ前の最新情報はこちら
高松(香川県高松市)の各施設の営業時間・入館料・アクセスは変更されることがあります。訪問前に必ず公式サイトやGoogleマップで最新の情報をご確認ください。
